腸内フローラ.com|「便秘」は放置すると深刻な病気に? 腸内を荒らすNG習慣4つ

腸内フローラ.com | 「便秘」は放置すると深刻な病気に? 腸内を荒らすNG習慣4つ

女性に多いといわれる便秘。 「便秘くらい」と油断して長い間放置していると、お肌に悪いばかりでなく、いつか深刻な病気となって表面化するおそれも。

健康の基本は、腸からの“よいお便り”です。 日本機能性医学研究所所長である斎藤糧三氏の著書『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』から、便秘の改善のほか、腸の健康に役立つヒントを探っていきましょう。
便秘によって肝臓の苦労が水の泡に 身体には毎日、水や空気、食べ物を通して、さまざまな有害物質が入りこんできます。 それらの有害物質のうち、水に溶けやすい水溶性のものは腎臓で処理され、尿として排泄されます。
一方、脂に溶けやすい脂溶性のものは、肝臓で解毒されます。肝臓が水に溶けやすい化合物に加工して無毒化し、尿や便として排泄するのです。 便秘していると、この毒素を結合した化合物が、腸内に長く停滞します。
そして困ったことに、腸内の悪玉菌がこの化合物をバラバラ分解してしまうのです。

分解された毒素は、大腸の粘膜から再び吸収され、血流にのって全身をめぐります。 腸にとどまっているだけならまだしも、有害な毒素が身体にじわじわと流れ込み、身体機能を混乱させるのです。
便秘の主原因は、生活習慣にあり 食物繊維の多い野菜や海藻を食べなかったり、食事の量そのものが少なかったりすると、便の量が減ります。
すると、大腸を通過する時間がスローダウンするため、その間に腸壁から水分をどんどん取られて便が硬くなり、排便しづらくなります。 また、通常、胃に食べ物が入ってくると、その刺激によって排便が促される「胃・結腸反射」が起こりますが、便秘が続くとこの反射が鈍り、便意をもよおしにくくなります。
便秘が続くと、ますます便が出にくくなり、腸内には悪玉菌がはびこる、という悪循環に陥ってしまうのです。 運動不足や水分不足、生活リズムの乱れ、ストレスなども便秘の原因となります。 女性のがん死亡率のトップは、いまや「大腸がん」という時代。 便秘症状が続く場合は、早めの対策を施したいものです。
まずは、腸内を荒らす“NG習慣”を見直す 腸には、栄養を吸収するという働きのほか、病原菌などから身体を守る働きもあり、免疫細胞が集中しています。 そのため、腸の状態が悪くなると免疫が落ち、風邪などの感染症にかかりやすくなるほか、アレルギーや自己免疫疾患、さらに生活習慣病などの病気の原因にもなります。 まずは、腸に悪い習慣をできるだけ取り除くのが第一です。NGポイントをチェックしてみましょう。

◆NGポイント1:お菓子や清涼飲料水、加工食品の食べ過ぎ 砂糖は、腸内の悪玉菌や真菌(カビ)のエサになると言われています。消化されずに腸に残ると、悪玉菌が増え、その結果善玉菌が減少し、腸内の腐敗が進みます。 また、飽和脂肪酸も善玉菌を減らすため、霜降り肉や加工食品などに含まれる脂肪の食べ方にも注意が必要です。
◆NGポイント2:消化不良(食べ過ぎ・よく噛まない) タンパク質は、腸管を作る材料にもなる必須の栄養素ですが、胃腸で十分に消化されないと、腸がそれを異物とみなしてしまい、アレルギー反応が起こる場合があります。 また、過剰なアミノ酸や消化できなかったタンパク質を悪玉菌が分解することで、身体に有害な物質ができてしまいます。 (それを防ぐために、野菜や海藻などと一緒に、よく噛んで食べる必要があります) タンパク質だけでなく、炭水化物・脂質のいずれも、食べ過ぎによって“消化不良”状態になると、栄養が吸収されないばかりか、腸内細菌のバランスが崩れ、環境を悪化させます。 (逆に食べる量が少なすぎると、腸が痩せて栄養吸収障害が起こる可能性も指摘されているため、食べないダイエットはお薦めしません)
◆NGポイント3:薬の飲み過ぎ 抗生物質などの長期的な服用は、腸の粘膜のバリアを破壊し、慢性的な炎症をもたらすとされています。 また、胃酸の分泌が弱いと、タンパク質の消化不良が起こるため、胃酸を抑える薬の長期服用にも注意が必要です。
◆NGポイント4:ストレス・不規則な生活 ストレス状態にあると、交感神経が優位になります。すると血管が縮んで血行が悪くなり、消化活動が低下し、便秘しやすくなります。 また、遅い時間に飲食し、その後すぐに寝てしまうと、消化活動がスムーズに行われず、やはり消化不良を起こします。 喫煙や過度なアルコール摂取も、控えたほうがベターです。 自然の食品から幅広く、バランスよく 腸にいいと言われる食品は、身近にたくさんあります。 善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)を外から取り入れるための「発酵食品」、便の量を増やして排便を促す「不溶性食物繊維」、腸内にもともといる善玉菌のエサとなり、腸の機能を活性化させる「水溶性食物繊維」と「オリゴ糖」。
いずれも薬剤や健康食品などに頼らず、自然の食品から摂り入れるのがベストです。 腸内の環境をよくする食品

【発酵食品】 ヨーグルト、納豆、ぬか漬け、キムチ、梅干し、酢・味噌・しょうゆなど 【不溶性食物繊維】 穀類(精製度の低いもの)、野菜(根菜など)、豆、きのこ、いもなど 【水溶性食物繊維】 海藻、果物、こんにゃくなど
【オリゴ糖】 野菜(キャベツ・玉ねぎ・ごぼうなど)、果物、大豆、はちみつ、牛乳など また、傷ついた腸管を修復するために摂り入れたい栄養素がこちら。 腸管を健康にする栄養素
【タンパク質】【グルタミン】肉・魚介類・卵・大豆など
【ビタミンB群】動物性食品、海藻(ひじき・のりなど)、ごま、ナッツ類、にんにくなど 【ビタミンA】レバー、卵黄、チーズ、緑黄色野菜など
【ビタミンD】魚介類、きのこ(乾燥きくらげなど、干したものは特に多い)など
【亜鉛】タンパク質を含む食品、ごま、ココアなど(※加工食品などに含まれる「リン酸塩」は亜鉛の吸収を阻害します)
【オメガ3脂肪酸】魚介類、アマニ油、エゴマ油など
【植物由来の抗炎症物質】ケルセチン(玉ねぎ・モロヘイヤ)、へスペリジン(みかん)、クルクミン(ウコン)、ハーブ類など ★タンパク質を摂るときに注意したいのは、卵や牛乳・乳製品、小麦などに対するフードアレルギー(遅延型[非即時型]フードアレルギー)の有無です。 病気の予防を目的とする「機能性医学」では、腸内環境の悪化や腸管の炎症、アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患や自己免疫疾患の要因の一つとして、フードアレルギーに着目しています。 食べものをしっかり「消化」させよう 意外に見落としがちですが、食べるものに気を配るだけでなく、食べ物の“消化不良”を防ぐ視点も大切です。
消化不良に陥ると、腸から効率よく栄養を吸収できず、腸によけいな負担がかかり、それが腸の炎症の原因になったりします。 よく噛み、消化を助ける食べ方が、腸にもやさしいといえます。 消化をよくしてくれる食べ物を取り入れるのもひとつの方法。 最も手軽なものは、大根おろしです。生の野菜や果物には酵素がたくさん含まれますが、中でも大根おろしは消化酵素をたっぷり含んでおり、デンプンを分解する「アミラーゼ(ジアスターゼ)」、タンパク質を分解する「プロテアーゼ」「セテラーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」と、3大栄養素の消化をオールマイティに助けてくれる優れもの。
またキウイやパイナップル、いちじくやパパイヤなどの果実には、タンパク質分解酵素が豊富に含まれるため、適量を組み合わせて食べるのがおすすめです。 食べ物をしっかり消化して丈夫な腸を育て、気持ちよいお便りが毎日届く。 そんな爽快な日々をめざしたいですね。
<参考>
『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』斎藤糧三/光文社新書
『「酵素」の謎 ―なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』鶴見隆史/祥伝社新書

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