腸内細菌、人工的に作り出す研究が進む">

腸内フローラ.com|病気を見つけたり、もみ消す「賢い」腸内細菌、人工的に作り出す研究が進む

腸内フローラ.com | 病気を見つけたり、もみ消す「賢い」腸内細菌、人工的に作り出す研究が進む

引き続いてネイチャー誌の特集増刊から腸内細菌の新しい動向を見ていく(「腸内フローラ」ネイチャー誌が特集増刊、慶応大の本田賢也氏らの17の菌治療が実用目指すを参照)。  「賢い」腸内細菌を作って、病気を診断したり、治療したりできるようになる可能性があるようだ。  米国スタンフォード大学医科大学院微生物学/免疫学の研究者が報告している。 腸内細菌が何をしているかを後から確認  それほど遠くない将来、遺伝子を組み換えた「賢い」微生物を腸に住まわせて、病気を見つけ出すために使ったり、さらにはごく初期でもみ消してしまうことができるようになるかもしれない。  まるでSFのようだが、現実的になりつつある。  目的の機能を果たす新たな生命システムを作り出す。「マイクロバイオーム工学」と呼ばれる分野で腸内細菌を作り出す研究が進んでいる。  合成生物学では、腸内細菌をいわば「半導体の基盤」のような役割を持たせようとしている。元々はバイオ燃料を作るために発達した技術だ。それを私たちの腸内細菌に応用して大きな健康効果を得ようとしている。  文字通り腸内細菌をコンピューターのメモリのようにする技術だ。「SCRIBE(生物学的事象を統合する合成細胞性レコーダー)」などという技術もあり、細胞が何をしたかを細胞内に痕跡を残すような技術は盛り上がりを見せているようだ(生きた細胞が情報を残す「記録メモリ」に!?アナログ情報を後で読み出し可能にを参照)。  例えば、バクテロイデス属のある菌は、100種類以上の遺伝子回路を持っていて、それぞれが異なる刺激に反応する。どんな反応をしたかを細胞の中に記録していける。  リンゴを食べて腸にペクチンという栄養が届けば反応する。病原菌であるサルモネラ菌たっぷりのポーチドエッグを食べれば反応する。  研究グループは、バクテロイデス属の腸内細菌を使って、腸内をでどのような状況に置かれたかを、コンピューターの1と0のような形で記録できるようにした。腸内細菌が腸を出るまでにどのような反応をしたかを後から確認できるようにした。  結局、例えば、病気があったときに、腸内細菌が反応して後からそれを検出するような医療が実現する可能性もある。 薬を放出する腸内細菌  病気を見つけ出すだけで終わらない。  炎症を検出したら特定の薬を放出するといった仕組みを作れる可能性もある。炎症を収めることができたら自動的に止めるような抗炎症性分子を分泌することもできるかもしれない。  「微生物の設計」が進化していく。人工微生物の暴走を阻止する安全装置も必要になる。  最終的に、病原菌の侵入と戦い、初期の段階でがんを発見し、下痢や便秘を治し、気分や行動を調整するといった役割も持ち得る。さらに、ネイチャー誌の特集から動きを見る(Medエッジの腸内細菌のタグの付いた記事一覧はこちら) 文献情報 Sonnenburg JL. Microbiome Engineering. Nature 2015 Feb 26;518:S10.


引用元:Medエッジ

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