腸内フローラ.com|腸内フローラで「門脈圧亢進症」が悪化か、血管とリンパ管が増えるため

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腸内フローラ、腸内細菌叢は、体にさまざまな影響を及ぼすと分かってきている。 腸内の血管とリンパ管を増やして、肝臓に向かう血管である「門脈」の内部の圧力を増やすという報告が出ている。体に影響を及ぼす効果の一端を示しているが、「門脈圧亢進症」と呼ばれる状態がもともとある場合には悪化させる可能性もあるようだ。

内臓の血流を変える
スイス、ベルン大学のシェイダ・モガダムラド氏らの研究グループが、肝臓分野の国際誌であるヘパトロジー誌で2015年1月16日に報告している。
研究グループは門脈圧亢進症について注目している。門脈は腸の血管が集まって、肝臓に流れ込む血管。腸内細菌の影響を受けやすい場所の血管と言える。肝臓や血管の異常によって門脈圧亢進症という病気になる場合があり、そのときの腸内細菌の影響を検証している。
研究グループは、無菌のネズミまたは腸内フローラを持つネズミを対象として、腸から肝臓に向かう門脈の一部をせき止めて門脈圧亢進症の状態にした。 その上で、2日目または7日目に、門脈圧、門脈と全身をつなぐ血管を含めて血流の状態を腸内細菌の有無によって調べている。組織、微生物学、遺伝子の状態についても調べた。

腸内細菌の存在で圧力が上がる
その結果、門脈をせきとめた後、腸内細菌がある場合の方が門脈圧は高くなった。腸内フローラがあることで、門脈と全身をつなぐ血流、脾臓の重量も増えていた。門脈をせき止めないニセの手術をした場合には、腸内フローラがあってもなくても血流の変化はなかった。病気の状態であるときに、腸内細菌が悪影響を及ぼす可能性があるわけだ。 脾臓に細菌が移ったのは門脈をせきとめて2日目、7日目には見られなかった。
腸内フローラを持つネズミと門脈圧亢進症のネズミでは、無菌ネズミとニセ手術を行ったネズミよりも腸のリンパ管と血管が多かった。腸内の血管やリンパ球が増えることで、門脈に流れ込む血液が多くなっていると見られる。 腸内の微生物に抵抗するためのペプチドである「アンジオジェニン4」は、無菌ネズミでは出にくくなっていたが、門脈をせき止めている場合は明らかに増えた。 門脈をせき止めた2日後、無菌ネズミに腸内フローラを入れると腸内の血管が明らかに増えた。腸内細菌の影響があるわけだ。

門脈圧亢進症がもともとある場合に、腸内細菌に注目するのは意味があると見られる。

文献情報
Moghadamrad S et al. Attenuated portal hypertension in germ-free mice: Function of bacterial flora on the development of mesenteric lymphatic and blood vessels. Hepatology. 2015 Jan 16. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25643846


引用元:Medエッジ

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