腸内フローラ.com|遺伝子組換した腸内細菌入りの水を1回飲ませるだけで長期間にわたり肥満を予防する実験にマウスで成功

腸内フローラ.com | 遺伝子組換した腸内細菌入りの水を1回飲ませるだけで長期間にわたり肥満を予防する実験にマウスで成功

肥満は先進国で社会問題となっていますが、よく効くダイエット薬は今のところ存在しません。複数の製薬会社が肥満予防薬を開発中ではありますが、いずれも毎日飲むタイプの薬だったり注射が必要だったりと、無事発売されたとしても費用や服用の手間の問題があると予想されます。
今回、アメリカのVanderbilt大学のSean Devies博士が遺伝子組換した腸内細菌を腸内に住み着かせることで長期間にわたり肥満を予防するマウスを使った実験に成功し発表しています。この方法のメリットの一つは低コストで効果を長時間維持出来ることです。
研究者は元々腸内にいる大腸菌「E. coli Nissle 1917 (EcN) 」にpNAPE-EcN(NAPE acyltransferase)という遺伝子を組み込みました。この遺伝子は小腸の中でNAPEs(N-acyl-phosphatidylethanolamines)を大量に作り出します。 NAPEsは小腸内でさらにNAEs(N-acyl-ethanolamines)に変化しますが、NAEsは食欲を抑制する作用が知られています。この細菌を1回飲ませただけで、高脂肪食を食べさせたマウスは、細菌を飲ませていないマウスに比べ8週間後の体重増加が15%抑えられたそうです。マウスのうんこの中に少なくとも4週間は遺伝子組換細菌が見つかるので腸内で繁殖し、抗肥満作用のある物質を持続的に作り出していると思われます。
今回、遺伝子組換を行ってはいますが、大腸菌自体は元々腸内にいるものですし、腸内では量は少ないですが、NAPEsもNAEsも存在します。すなわち、この治療方法では元々腸内に存在しない物質は何も生じておらず量が変わっているだけのため安全性は高いと研究者は考えています。
今回は12週間までしか効果を確認していませんが、研究者は1回の投与で半年~1年間作用を持続させることも目標にしているそうです。

•Special microbes make anti-obesity molecule in the gut | EurekAlert! Science News
•Incorporation of Therapeutic Bacteria into the Gut Microbiome for Treatment of Obesity


引用元:アムリタs

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