腸内フローラ.com|炎症性腸疾患の謎、悪玉の腸内細菌が解く鍵握るか、大腸菌からDNAに直接的なダメージ

腸内フローラ.com | 炎症性腸疾患の謎、悪玉の腸内細菌が解く鍵握るか、大腸菌からDNAに直接的なダメージ

炎症性腸疾患は日本では難病として指定されている。大腸がんも増えつつある。
その背景に悪玉の腸内細菌が関与しているかもしれない。

腸内フローラの機能に注目

米国エール大学の研究グループが、ネイチャー・ケミストリー誌2015年4月号で報告した。
腸には何兆もの微生物が存在しており、「マイクロバイオーム」と呼ばれる。Medエッジでこれまでも伝えてきたとおり、腸内フローラや腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)として、病気との関係が指摘されてきている(腸内フローラとは?デブ菌、人工甘味料、抗生物質の問題が関係を参照)。 研究グループによると、人間は腸内細菌と併せて「スーパーオーガニズム(超個体)」として考えられるようになっている。人間のDNAは不変なのに対して、腸内細菌はDNAも含めていかようにも変化する。病気との関係を考えるときに、DNAだけではなく、腸内細菌も無視できないほどに影響力が強いと見られている。人間と腸内細菌との相互関係の上に生命活動があるという考え方が強まっている。

善玉と悪玉

では、腸内細菌そのものを変化させると、病気をコントロールできるのではないか。そうした見方から、炎症性腸疾患のほか、大腸がんの予防や治療につなぐ考えも出ている。 腸内細菌にも善玉と悪玉があると見られている。今回は、悪玉の腸内細菌のメカニズムに迫る研究結果が出ている(腸内フローラの善玉と悪玉、腸内細菌を知って健康に生かしていくを参照)。 研究グループは、大腸菌で見つかる「コリバクチン(colibactin)」と呼ばれる分子に着目して腸内細菌の機能を調べている。新陳代謝から発生する分子を調べる「メタボロミクス」、分子の構造を調べられる「核磁気共鳴スペクトル測定」、細菌の遺伝子を調べる「細菌遺伝学」、生物の信号などの情報の分析をする「生命情報学」などの技術を適用している。

DNAにダメージの証拠

結果として、研究グループは、コリバクチンの分子構造を、いくつかの技術を使って突き止めた。「コリバクチン・ウォーヘッド」と呼ぶもので、DNAと反応して傷付ける作用を持つと確認している。 要するに、大腸菌の作り出す分子が、人間のDNAにダメージを与えていることになる。研究グループは初めての発見と言う。 腸内細菌と病気の関係について分かりつつあるが、メカニズムには謎も多い。今後、同様な研究からその謎も解き明かされてくるのかもしれない。
文献情報

Spotting a molecular warhead for disease in the human gut
http://news.yale.edu/2015/04/06/spotting-molecular-warhead-disease-human-gut Vizcaino MI The colibactin warhead crosslinks DNA. Nat Chem. 2015;7:411-7.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25901819

引用元:Medエッジ

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